死化粧とはそもそも何なのか。男性でも行う理由やなぜ必要なのか解説致します。
死化粧と目的
死化粧とは個人が穏やかで、自然な表情になるよう化粧を行うことです。
家族が亡くなり、ご遺族は悲しみの中で通夜・葬儀の準備へ取り掛かります。この儀式の際、故人が疲れ切った表情のままで、最後の別れを参列者と共に行うのは辛いものです。そんなことのないように行うのが死化粧です。
故人が穏やかで、自然な表情や顔色になることで故人の尊厳が守られ、ご遺族の心のケアにも繋がります。
ですが必ず行わなければいけないことではありません。
死化粧を男性でも行った方が良い理由
男性でも死化粧を行う方がより良いです。
ご遺体は水分の補給ができない為、急速に乾燥が進みます。この乾燥が肌の色に変化をもたらします。
乾燥のスピードを和らげることが死化粧の最も重要な理由です。
通夜前の段階では必要なさそうに思えても、葬儀の際は顔色が普段と全く違うことも多くあります。
ですので可能であれば死化粧をし、男性ですから伸びた髭や髪を整えてあげる方がベターと言えます。
男性への死化粧について
死化粧といっても対象は男性です。やり過ぎると違和感に繋がります。
納棺師が使う化粧品は故人専用の物が多いです。一般的な化粧品よりも油分が多くカバー力に長けています。
肌だけでなく、水分量が特に多い唇についても同様に化粧しますが、色はブラウンなど違和感につながらないよう注意が必要です。
死化粧を遺族が行う場合
死化粧を遺族が行うことももちろん可能です。
死化粧は故人を可能な限り、元気だった頃の姿に近づける事が重要です。
ファンデーションは粉状のものではなく、液体状のものを使用してください。
液体状の物の方が保湿力が高い為、乾燥による肌の変化を遅らせることにつながります。
可能であれば口紅もした方が良いです。唇は特に水分量も多いので乾燥による色の変化が大きく表れます。
男性ですので、ブラウンなどを使用し、赤いものは避けると違和感なく整うと思われます。
死化粧を遺族が行う場合の注意点
ご遺族が化粧を施すなら、故人の生前に近い姿が再現できることでしょう。
ただし、使用する化粧道具には注意が必要です。
ご遺体の場合、様々な感染症にかかっている可能性があります。
ご自分の普段から使っている化粧品を使用するのは、感染症のリスクが高い為避けましょう。
死化粧用に100円ショップなどで化粧道具を揃え、使用後は廃棄した方が良いでしょう。
まとめ
死化粧は決して、通夜・葬儀を行う前に義務付けられたことではありません。しかし、故人の表情を明るくする効果があり、故人の尊厳が守られ、ご遺族の心のケアへとつながります。
「せめて自分達で死化粧をしたい。」というご遺族もいらっしゃることでしょう。しかし、対象がご遺体である以上、普段とは勝手が違うこともあるかもしれません。この場合は無理せず、看護師や納棺師に死化粧を任せた方が良いでしょう。